今回の双龍門チャンネルでは、双龍門独特?の師弟制度から、伝統を守る意義、ヨーロッパの人達がアーユルヴェーダや中医学にさっとうしているお話など多岐に渡りお伺いする事ができました。
(聞き手:黄 蒼天)
音声版
書き起こし
文章を読みやすくするために多少アレンジをしています。
――始まりました、双龍門Ch.。本日も、黄 龍英先生よろしくお願いいたします。
はい、よろしくお願いします。
双龍門と日本社会の違い
――本日の収録のお題は、『双龍門と日本社会の違い』ということで、頂いた文章を読むと、日本の一般的な社会の感覚と双龍門との違いというか。
そうだね。昔はこういうのがあったわけだよ。お茶とかお花とか。あるいはいろんな芸事のところでは、お師匠さんがいて、お師匠さんが弟子を集めて、という形になるわけだよね。
――師弟・・
師弟制度ってやつだな。で、お弟子さんになりたいという時には、お師匠さんに会いに行くわけだけど、会いに行って、会えるか、というとなかなか会えない。
――はい。
何回か関門があったり、課題が与えられたりして、やっとの事で会いに行くんだよ、という話になる。その時にお金も払うんだけど。
――はい。
そういうので、すごい縦社会なんだわ。お師匠さんが絶対的な存在で、そこへお弟子さんがついていって、お弟子さんがいろんな技術を学んで、さらに大きくなって伝わっていくと。いう形だよね。
だから、1日でも早く入った人が先輩で、その下に後輩がくると。いう感じだよな。
――はい。
そういうところが、今の日本社会からすると、かなり特殊かも知れないな。
師弟制度と契約社会
――今は契約社会と言いますよね。
うん。今は完全に契約なんで、完全にフラットなんで、ほとんどお金だけのやりとりになっちゃってるから、感情もなにもないよね。
――紙(契約書)書いて、成立しますからね。
そうそう。うちの場合はそうじゃないわな。いろいろ住み込みで皆やってくれてるんだから。そこの点でも相当違うわな。
――そうですね。
そういった面が随分違うわなって事だね。
生徒さんがいて、生徒さんから、じゃあお弟子になりたい!ってなった時には、それなりのテストというかね、そういったものがあるんだよ、という事だね。
――師匠がOKと言わなければ、という事ですよね。
そうそう。そういうのを全然考えないで飛び込んできて、
「お金儲けられますか?」
と言われてもね。そんなに金儲けでやってるわけじゃなくて、うちの[futoaka]伝統を守るためにやってるわけだからね。[/futoaka]
――そうですね。
そこはよく心得てほしいわけだな。
――僕も最初ちょっと、違いというのは感じて、そういう世界があるんだなぁという感じではいましたからね。多分一般常識とは違うんだろうけど、それが伝統なのかなと思いますけどね。
そうだよね、だから完全に中国的な社会なんですよ、うちの中は。
そういう点で(最初は)相当とまどうんじゃないかと思うんですけどね。
――最初はそうかもしれないですね。
よくよく考えて、生徒さんのうちに慣れておくというのは必要かなと思いますわな。
――そうですね。
生徒さんは我々にとってはお客さんだから。一旦弟子になれば、弟子なんだから、私に仕えてくれる、という事ですね。
――そうなりますね。
そういう意味では、師匠は絶対ですよ、という事ですね。
――(例えば)京都あたりではそういう仕組みがありそうな氣はしますけどね、芸子さんとか。
そうそう。お稽古なんかはそういう風になってるよね。
――お茶とかお花は師匠が絶対だと思いますよね。
そうそう。祇園なんかはもう三味線がすごく大変だよね、あれね。踊りと三味線ね。
――見るのは楽しいんでしょうけどね、やる方は・・
そういう風な事が、東洋としてはあるんだよっという事ね。
双龍門の理念
うち全体としては、双龍門の理念という事で言えば、だいたい東アジア、ないしは、今考えてるのは東南アジアぐらいだな。
ようするに(東南アジア)は交差点になってるわけだ、あそこはね。
中国の文化とインドの文化が混ざりあうようなところだから。
――はい。
それぞれの良さを伝えて、この伝統を育んでいくという感じかな。
それを今度は中国本土やインド本土にね、これをさらに強化して伝えて、多くの人に理解を得てもらうと。
――インドか・・デカいですねインド・・
うん、インドと中国本土は相当デカいところなんで、がっちりと根を下ろすような感じで伝えていくと。
それから全世界にその考え方をわかってもらうように広めていくと。
――そうですね。やっぱりちょっと、新自由(主義)というか、経済至上主義が行き過ぎて、ちょっとパンクしてる感があるので。
そうだよね。
――昔の良さ、古き良きというか。
経済のために人を殺してもいいよっていうんじゃあ困っちゃうんでね、それはやり過ぎなんで。
そうじゃなくて、(お金は)そこそこで、(それよりも)文化であるとか、裏付けのあるものがあれば、そういった知識があってこそ成り立つと思うんだよね。
――やっぱり文化とか歴史がなくなったらもう、その人である必要がないというか。
そうだよね。そういうところをよくね、伝えていく必要がある。それがうちらの使命だろうなと思うよね。
――そうですね。
アジアの人たちにどんどん貢献していきましょうという感じで考えてるわけだな。
――そうですね。シンガポールとかね。また広くなりそうな気配がありますもんね。
だからもし入ってきたい、という方がいるんだったら、そういうところを注意してもらって、よくよく[futoao]貢献[/futoao]というところに立ってもらうと、一番いいんじゃないかな。
――そうですね、まぁ、やる氣があれば大丈夫ですよ、多分。
うん。
――やる氣があって、虎穴に入らずんば・・
虎子を得ずだな。
ヨーロッパで流行るアーユルヴェーダと中医学
何しろ今、潮流が変わってきたよね。ヨーロッパの人達がインドだ、スリランカのコロンボだ、と言って、アーユルヴェーダをゼロから修行してるんだよね。
――今多いですよね。
で、中国は、各省の中医大学がだいたい、白人の人達で溢れてて、聞いたら、
「40(歳)まで西洋医をやってたんですけど、もうこれじゃダメだから」
って辞めて、
――(笑)
大学入りなおしたって言うんだよね。
――すごい。
それは凄いですよね。だからこういうのが今の潮流になってるよね。
――向こうの人達は、アグレッシブというか、どんどん取り入れようとしてますよね。
うん。ダメなものはダメって割り切っちゃうからね。
――日本はなんか、飼いならされてる感じが僕はしてるんですけどね。
うん。
――もうちょっと、いろいろあるよっていうのを、思ってはいるんですけどね。
そうですね。こんなところでしょうかね。
――はい、本日はありがとうございました。
ありがとうございました。
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